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質の高い発展へと進む 遼寧省を訪ねて
本誌記者・植野友和  ·   2019-09-16  ·  ソース:北京週報
タグ: 質の高い発展;遼寧省;社会
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中国における重工業の一大集積地として知られる遼寧省。ここでは現在、中国が強力に推し進める東北振興政策によって、産業の効率化や対外開放、イノベーションが進み、質の高い発展が成し遂げられつつある。北京週報日本語部では中華人民共和国成立70周年を間近に控えた2019年9月、遼寧省の主要都市である瀋陽、丹東、大連を巡り、新時代における遼寧省の発展状況を取材した。 

質の高い発展へと邁進する国有企業「瀋鼓集団」

取材初日、北京週報取材班は瀋陽市の国有企業「瀋鼓集団」にお邪魔して、工場を見学するとともに同社の技術革新イノベーションの取り組みについて話を伺いました。 

「瀋鼓集団」は国有企業でありながらこれまでに100個近くもの「中国初」を生み出してきた先進的な企業精神を持ち、同社の製品である10万トン級の巨大空気分離コンプレッサーは、その「中国初」のうちの1つです。この機械によって生み出される大量の酸素は石炭の液化などに活用されています。 

中国は石油、天然ガス資源が少なく、石炭が豊富な国です。そのため中国では長らく、石炭のガス化や液化といった石炭精錬産業の発展が期待されてきました。 

石炭はコンプレッサーで作り出される大量の酸素を加えて液化処理すると、燃焼効率が高まります。しかし酸素を生み出すコンプレッサーは、かつて同社ではドイツ製など外国のものに頼っていた時期もあったのです。 

中国の石炭精錬産業を力強く前進させためには、長らく自主開発の大型コンプレッサーが待ち望まれていました。それを果たしたのが、この「瀋鼓集団」なのです。 

同社の生産ラインは極めて効率化が進んでおり、空気分離コンプレッサー以外にも工場で生み出される製品は多くの国に輸出されるほど競争力を持っていて、日本人がしばしば国有企業に持つ「非効率」というイメージとは全く異なるものでした。質の高い発展へと邁進する中国において、国有企業が極めて大きな役割を果たしていることを改めて感じさせられた1日でした。

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