中国観光研究院、国家観光局データセンターの予測によると、今年の春節（旧正月）連休期間中の国内観光客は延べ３億８５００万人に達し、昨年同期比で１２％増となる見込みだ。２月５日現在の携程（シートリップ）入場券予約状況データによると、春節の中国域内人気観光地トップ３はそれぞれ上海ディズニーリゾート、故宮、峨眉山で、域外で最も人気のある観光地は香港ディズニーランド、シンガポール・ユニバーサルスタジオ、ルーブル美術館となっている。なぜディズニーランドは中国人の域内外観光地の中で堂々一位となっているのか？国産テーマパークには魅力あるクリエイティブなテーマが欠けている以外に、何が足りないのか？ 

まず、後続資金の投入が足りない。大型テーマパークは新しいアトラクションを絶えず打ち出してリピート客を引きつけ、継続的に資金を投入しなければならない。国内の一部大型テーマパークが開業後しばらくは大人気でも、その後すぐに人気が衰える主な原因は、後に続く資金投入が不足しているからだ。投資家は往々にして２期、３期など後続工事を考慮せず、全ての資金を１期工事につぎ込み、その後は何もせずに投資の回収と利益が出るのを待つ。事実、多くのテーマパークは投資回収まで持ちこたえられず財政難になり、営業を停止せざるを得なくなる。このほか、国内の一部開発業者にとってテーマパーク建設は見せかけで、不動産開発こそが本当の目的であり、テーマパーク建設を利用して優遇価格で土地を手に入れ、不動産価値を吊り上げようとしているにすぎない。不動産面で高額の利益が出れば、テーマパークの発展など気にかけないのだ。 

次に、管理とサービスが遅れている。テーマパークは非常に専門化されたサービス業であり、従業員に対する要求が非常に高い。中国のテーマパーク産業は急速に発展したが、優れた人的資源の支えがない。末端層のサービススタッフから上層部の管理職まで、いずれの人材も不足している。ディズニーには自前の訓練学校があり、サービススタッフは優れた交流コミュニケーション力と総合サービス力を備えている。例えば、ディズニーの第一線の従業員は、観光客が記念撮影するのを手伝えるよう、世界の全種類のカメラを使うことができる。さらに、子供を楽しませ、ストーリーを語り、パフォーマンスをすることもできる。そのためディズニーの第一線のスタッフは「アクター」と呼ばれている。中国のテーマパークの管理とサービスはまだ初級段階にあり、最も基本的な微笑みというサービスさえできないサービススタッフもいる。 

中国のテーマパークはディズニーランドやユニバーサルスタジオなどとは差別化した競争をしなければならない。将来は高投入、ハイテク、深い体験、多機能の方向に発展し、テーマパークとレジャー、リゾート、スポーツなどの機能を一体化して、文化と観光の総合体を新たな業態にしていく必要がある。そのためには、自国の文化を発掘し、科学技術と融合させ、中国人のニーズを満たすテーマパークを開発し、テーマパークの産業チェーンと産業クラスターを徐々に形成していくことが求められている。 

(張凌雲 北京聯合大学旅游学院副院長、教授) 

「北京週報日本語版」2018年2月12日