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「時間と闘いながら、南京大虐殺の史料を発掘」
——南京大虐殺の民間研究者・小野賢二さんをインタビュー
  ·   2017-12-14  ·  ソース:
タグ: 南京大虐殺;旧日本軍;社会
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 「16日……夕方より捕虜の一部を揚子江岸に引出銃殺に附す」。

「17日……捕虜残部一万数千を銃殺に附す」。

……

これは、中国を侵略した旧日本軍の元兵士・菅野嘉雄さんが80年前に書いた陣中日記だ。このメモを発見した小野賢二さんは1988年から、南京大虐殺に関与した旧日本軍の元兵士の資料の発掘に努めている。人民日報が報じた。

1937年12月、旧日本軍は南京を侵攻し、武装解除した中国の軍人や何の抵抗力もない一般市民30万人を殺害した。南京大虐殺に参加した部隊の一つに、福島県出身の兵士で編成された第13師団歩兵第65連隊がある。小野さんはこれまで約30年間、福島県の隅々まで歩き回り、同部隊の元兵士や遺族約300人を訪ね、200人以上の証言を整理し、陣中日記・メモ31冊を集めた。

「南京大虐殺の動かぬ証拠は山ほどあり、改ざんすることはできない」。小野さんによると、中国を侵略した旧日本軍の元兵士の日記を含むたくさんの資料を何度も比較、論証し、それに基づいて南京大虐殺を実際に経験した人に直接聞いた証言をまとめると、1937年12月16日から、第13師団歩兵第65連隊は幕府山付近の長江岸で、中国人1万7025人を殺害した。90年代初め、小野さんのこの調査結果を日本メディアが報道すると、日本の右翼から強い反発を受けた。しかし、小野さんの調査結果は、詳細で正確な史料や実際の経験者に対する調査を根拠にし、たくさんの証拠に基づいた結論であったため、右翼はそれに疑いをはさむことも、批判したり攻撃したりすることもできなかった。

96年、小野さんは藤原彰さんや本多勝一さんらと共に、「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち―第十三師団山田支隊兵士の陣中日記」を日本で刊行した。日本の専門家は、「同書は、『南京大虐殺というのは自衛のための手段だった』、『南京で大虐殺があったという事実はない』などがうそ偽りだったことを暴露する、南京大虐殺事件を知るための貴重な史料」との見方を示した。

「日本ではとてもナイーブで疑念を持たれやすい、この課題に関する調査・研究を続けていく思いを支えてきた力は何なのか?」との質問に、小野さんは、「一人の日本人として、一体何が真実なのかをはっきり調べたかった。そして、南京大虐殺の真相をはっきりさせたかった」と答えた。

90年代に旧兵士の新妻富雄さんを訪ねた時のことについて、小野さんは、「新妻さんは晩年、南京大虐殺に参加したことを本当に悔いていた。以前、『僕は許されない罪を犯したため、天罰を受けた。一番上の息子は、僕が徴兵されてすぐに亡くなり、二番目の息子も私より早く亡くなった』と話していた」という。

小野さんについてよく知る複数の日本人学者によると、小野さんは正義感が非常に強く、南京大虐殺を否定する右翼を見て、自身が集めた資料や実際の経験者の口述資料などを通して、日本社会が歴史的事実を基礎としてそれを教訓にし、悲劇が二度と起こらないことを願っているという。「南京大虐殺を調査することが私の人生の目標」と小野さん。

「収集した史料を通して、南京大虐殺の真相を明らかにし、事実に基づいて話すということは、とてもたいへんな仕事。でも、それは、南京大虐殺を否定する右翼との闘いに勝つために必要な武器」。調査・研究のほかに、小野さんは、一人でも多くの日本人に南京大虐殺について知ってもらおうと、自身の成果を日本人に伝えている。小野さんの話す全ての言葉には、歴史資料の証拠があるだけでなく、さまざまな歴史資料が相互にそれが真実であることを示しているため、日本の右翼は小野さんを目の敵にしているものの、反論することができないという。

小野さんは、「私は時間と闘いながら、南京大虐殺の史料を発掘している。もう歳で、関連の調査ができなくなる日も近い。旧日本軍の元兵士が次々にこの世を去り、陣中日記などの資料もどんどんなくなっている。今しなければ、今後二度とできなくなり、ずっと悔いが残ってしまう」と語った。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年12月13日

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