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「実戦」と「型」の結合こそが中国武術の正道
本誌記者 李南  ·   2017-06-15  ·  ソース:
タグ: 中国武術;正道;社会
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徐暁冬の「果し合い事件」が巻き起こした舌戦は徐々に落ち着いてきたが、武術界では伝統武術発展の活路に関して考える動きがまだ続いている。6月7日、海南省武術協会副主席、中国武術八段の肖勤氏は本誌記者のインタビューを受けた際、「『実戦』と『型』の結合を重要視し、競技大会評価体系を改革することこそが、中国武術の将来的発展の正道だ」との考えを示した。

肖勤氏は海南師範大学武術教授で、長きにわたって中央テレビ局の武術競技会番組『武林大会』の専門家審査員を担当し、海南軍区偵察中隊捕縛格闘術の総教官を務めてきた。

「果し合い事件」が武術界の偽物撲滅の助けに

4月27日、「雷公太極拳の創始者」を自称する魏雷が数秒間で総合格闘家の徐暁冬にKOされた。肖氏にとってこれは想定内のことであった。「専門的に見て、必然の結果だった」と肖氏は本誌記者に語った。肖氏によると、技術的に言うと2人のレベルは段違いだったという。徐暁冬はかつてある体育学校で中国武術の「散打」(中国武術において自由に技をかけ合う試合に類する行為)を系統的に学び、後に北京で道場を開き総合格闘技を教えている。そのすべての訓練は攻撃、防御、反撃など技術?戦法を中心に行われている。「一方の魏雷は、私の調べた資料情報によると、せいぜい民間の太極拳愛好者にすぎない。系統的な訓練も受けていないし、ましてや『大家』を名乗るなど論外だ」と肖氏は言う。

肖氏によれば、徐暁冬には明らかな売名行為の疑いはあるものの、「果し合い事件」は確かに国民が武術界の「偽物の大家」現象に注目し、武術伝統文化が置かれている苦境について考えるきっかけになった。その意味では、「果し合い事件」はいい事だった、と肖氏は記者に語った。

「現実の世界では、確かに『名人』や『大家』、或いは『伝承者』が今の武術界で権勢を誇り、名誉と利益を得ている。インターネットにはこうした『大家』の超人的格闘技の動画が数えきれないほどある」と肖氏は言う。肖氏は、「一部のいわゆる『大家』は『太極拳は相手に触れずに相手を倒せる』と標榜し、武侠小説やカンフー映画に登場する神秘的人物のように世間を圧倒する武術の技を持っているかのようだ」と指摘する。

肖氏によると、文芸作品中の武術の技は芸術的に加工されたものだという。肖氏は、「しかし現実では、こうした『大家』や『名人』、『伝承者』の人をだますいんちき行為に対し、どれだけの武術界関係者が立ち上がって『その稚拙な演技をやめろ!』と大喝一声しているだろうか」と指摘する。

そのため肖氏は、「徐暁冬は『極めて大きな石を持ち上げ』て、武術界という『長い間動きのなかった流れのない水』にそれを投じ、『巨大な波しぶきを立てた』のであり、それによって中国武術従事者や愛好者が中国武術の根本がどこにあるのか、中国武術は将来どこへ向かうべきなのかを冷静に考えるようになるだろう」と考えている。

「実戦」と「型」の結合こそが武術の正道

肖氏はこう断言する。もし「散打」をやっているアマチュア選手と武術の型を専門に習得した省級の選手が対決したら、その結果は徐暁冬と魏雷の対決結果と同じことになるだろう。それは、今の中国武術の伝授システムが早くからすでに「実戦」と「型」の2つに分かれてしまっているからだ。つまり実戦格闘技を習う人と武術の型を習う人とは、はっきりと一線を画した2つの集団に分かれているのだ。実戦派は型ができず、型派は実戦で使いものにならない。全体的に言って、武術の型を習っている人は「散打」や格闘技のレベルが低い。

実のところ、中国伝統武術は現在の格闘技の源であり、強い護身機能を持っている。「公安、武警、特殊部隊の徒手格闘や武器を用いた格闘のうち、中国伝統武術各流派の蹴り、突き、投げ、掴み?関節技といった技法を源にしないものはない」と肖氏は記者に語った。肖氏は、太極拳を含む伝統武術には、武術の実戦におけるすべての攻撃と防御の技法が含まれていると指摘する。

しかも肖氏の考えでは、同じ条件下において、伝統武術を習ったことのない人が格闘技を習うと、ある程度まで行くと伸び悩むという。一方、伝統武術を習ったことのある選手は、往々にして比較的高いレベルまで行くことができる。これは、伝統武術の練習によって良好な基礎的技術が固まり、敏捷性やしなやかさ、安定性が高まるからだ。

伝統武術には豊富で巧妙な格闘と防御の方法があるが、習っている人のほとんどは格闘技のルールに合った専門の訓練を受けていない。「常に2人1組の実戦形式で練習することは対戦経験を積む最良の方法の1つだ。しかし中国伝統武術ではまさしくこれが欠けている」と肖氏は言う。「型だけを練習し、イメージの中での攻防を練習していたのでは、どれだけ優れた拳法を習っても、どれだけすごい名人から教えを受けても、とどのつまりはやられるだけだ」。

「実戦」と「型」が分割された教育体系で育成された大学卒業生は、就職の面でも苦境に直面している。肖氏の説明によると、多くの伝統武術科出身の優秀な卒業生が、自分で道場を開いた後、テコンドー教室に鞍替えしないと生徒が集まらないことに気づく。小中学校と提携して趣味の武術クラスを開かないと生徒を集められない卒業生もいるという。

「古くから『実戦』と『型』は本来一体だった。しかし型を訓練する今の体系は武術の本質から乖離してしまった。『実戦』と『型』の結合を再度重要視し、武術の4つの攻撃手法である蹴り、突き、投げ、掴み?関節技を強調し、本質に回帰することこそが、武術が目指すべき方向だ」と肖氏は語った。

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