▽最低購入価格の政策、重要な役割を担う
工業化、現代化を推し進める一国として、また、13億もの人口を抱える大国として、中国は食糧自給戦略を堅持し、食糧生産を非常に重視し、農耕地に対し厳格な保護を行い、農業技術の発展に力を尽くしてきた。特に2003年以降、一連の農業従事者に対する優遇策や食糧栽培の奨励策を前後して打ち出し、2600年以上継続してきた農業税を取り消し、農業従事者の経済的負担を軽減した。食糧栽培の農業従事者に対し、直接補助金のほか、優良品種作付補助金、農用機械購入補助金、農業用資材総合補助金などを増加した。また、農業従事者の収益を保障する目的として、2004年から、重点的な食糧品種の最低購入価格政策を打ち出している。
国家は2004年から、食糧栽培の農業従事者に直接補助金の支給を始めている。2006年には、農業用資材価格の上昇によるコストアップにより、多くの農民が、政府の農業用資材総合補助金を受領し始めた。昨年、政府は直接補助金および農業用資材総合直接補助金を427億元に引き上げた。平均すると、主な食糧生産省は1ムー(15分の1ヘクタール)当たり30元、他の省は1ムー当たり20元の補助金が支給されることになった。今年、中央政府の予算において、「農業、農民、農村」に5626億元が枠決めされ、昨年より1307億元の増加となった。また、食糧栽培の農民に対する直接補助金に252億5千万元が増加された。
財政部の謝旭人部長はこのほど、「農民に対する直接補助金の支給だけでなく、財税のテコ入れをもって、農業用資材価格の高騰を抑え、農業用資材の供給を保障し、市場価格の安定化を図っていく」と述べている。
重点的な食糧品種の最低購入価格政策を中心とした新型食糧流通システムは、中国食糧市場を保障している。
▽充足した食糧備蓄は市場コントロールに大きな役割
この度、世界中で食糧価格が高騰している中で、中国は食糧備蓄が充足していることからその主要な食糧価格は総体的に安定している。
食糧は、農業従事者の手から、最低購入価格が支払われ、国家の備蓄食糧となる。そのため、政府による市場供給の調整、食糧価格の関与が行われる。この臨時的な政策は、その後、国家による食糧価格調整の重要な手段に変化する。市場食糧価格が低迷すれば、政府は購入価格を高値に設定し、逆に、備蓄食糧を競売にかけ、食糧価格の安定化を進める。政府が市場委託購入や競売を行い、不安定であった国内の食糧価格を安定させる。
今年3月以来、国内外市場の農産品価格が高騰しているのを受け、中国食糧備蓄管理総公司はすでに何度か、小麦、コメ、とうもろこしなどの備蓄食糧を放出した。3月26日から27日だけでも、同公司は、最低価格で小麦443万8800トンを市場に供給したが、市場の需要が少なかったことから、実際には68万4100トンだけが放出された。しかし、この結果、前回の取引週の価格に比べて1トン当り5元下落した。(編集WM)
「人民網日本語版」2008年6月19日 |