本誌記者 王剛毅 王燕娟 陳文(ニューヨークから報道)
潘基文(パン・ギムン)氏が新国連事務総長に就任してすでに9カ月余りがたった。現在、この温厚で品格のある63歳の韓国人は国連の問題処理に当たっては、就任時よりずっと自信が出てきたように見える。第62回国連総会の一般討議が終わった現地時間の10月5日、パン事務総長はニューヨークの国連本部で「北京週報」のインタビューに応じ、国連改革やスーダンのダルフール情勢、気候変動、朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議、世界と国連問題での中国の果たす役割などについて語った。
就任して以来、国連の改革でどれほどの進展があったのか。それに満足しているか――
この仕事を引き継いでちょうど9カ月になった。この間に重要な改革措置を幾つか講じたが、成功したケースもあれば、現在進めているものもある。例えば、平和維持活動や軍備抑制の再編である。次の重点は、予防外交能力をいかに強化していくかだ。同時に、私も力の及ぶ限り国連の組織文化を改めて、この組織をさらに影響力のある、効率と機能のより高い、より専門的なものにしていくつもりである。私はこうした進歩は評価するに値すると思っている。
最大の困難は何か――
国連はすでに60年の歴史がある。過去60年の間に既存のシステムや伝統は徐々に形成され、そして停滞していった。そのため、この組織を変えて、より効率の高いものにしようとすれば、恐らくかなりの時間が必要となる。われわれはすべてのスタッフ、すべての加盟国を説得しなければならない。というのは、国連は192カ国からなる政府間組織だからだ。すべての加盟国と疎通を図り、協議を行って国連改革を推し進めるのは容易なことではなく、それには時間や精力が必要だが、私はそれに力を尽くすことができるだろう。
国連問題で中国が果たしている役割をどう評価するか――
中国は安全保障理事会の5常任理事国の1つとして、国連問題で主要な役柄を担っている。中国は主要な発展途上国の1つであり、国連の各方面の問題でいずれも重要な役割を発揮している。国連と中国が良きパートナーシップを維持するのは非常に重要であり、国連にとってはとくにそうだ。事務総長として、私は中国が国連の主要国の1つとして、引き続き平和と安全、発展、軍備抑制、核不拡散などの問題で重要な役割を果たすよう望んでいる。中国はダルフール情勢などの地政学的な問題で積極的な役割を発揮した。われわれは中国がダルフール地区へ平和維持部隊を派遣し、技術援助をしていることを高く称賛している。中国には引き続き国連の平和維持活動を支持し、参与するよう望みたい。
西側では、中国はダルフール問題でしかるべき役割を発揮していないと非難したり、さらには、これを理由に08年北京オリンピックをボイコットするよう提案したりしている人が一部にいるが、これをどう見るか――
中国はダルフール問題で建設的な役割を果たした。中国はダルフール地区に建設チームを派遣し、ダルフール問題の担当特使も任命した。特使は一貫して国際社会と緊密に協力しながら、この地区の問題解決に当たっている。いわゆる北京オリンピックボイコット問題については、私は両者を同列に扱うのは不適当であり、まったく理由のないものだと思っている。両者は完全に関係のない問題だからだ。われわれは誰もが来年、北京が最も成功したオリンピックを開催できるよう期待している。私も北京オリンピックのカウントダウン1周年を祝う盛大な式典を観たが、非常に素晴らしかった。あなた方国民と政府は最も成功したオリンピック開催できると信じている。
リビアで間もなく開催されるダルフール問題関連の会議に、何を期待するか――
これはダルフール問題を解決する上で極めて重要なチャンスとなるだろう。10月27日のリビアの首都トリポリでの政治交渉の場を組織できたことは、大きな励ましとなった。抵抗組織の指導者にこの平和をめぐる交渉に参加させるため、私は一貫して力の及ぶ限り必要とするすべての手段を講じ、プラスとなる条件を整えてきた。
すべての抵抗組織の指導者に今回の平和交渉に参加させることは、絶対に必要である。憂慮するのは、今でも一部の抵抗組織が参加を望んでいないことだ。彼らが本当に自国の未来に関心を寄せるならば、外に身を置くのではなく、参加すべきである。適当な時期に正しい決定を下すことを知るべきである。
われわれは最大の努力を尽くして抵抗組織の指導者、とくにアブドゥル・ワヒド氏を説得して今回の交渉に参加させるつもりだ。しかし、ある個別の組織が参加するかどうかを、今回の交渉の成否の評価基準にすべきではない。そのため、従来の計画通り交渉を開くことにしている。
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