中文 | English | Français | Deutsch
 
 
ホーム 政治 経済 社会 中日交流 文化 文献 特集
ホーム >> 中日交流 >> 本文
  • descriptiondescription
砂原さんの信念を受け継ぐために アニメ『血と心』制作者座談会
  ·   2023-02-24  ·  ソース:人民中国
タグ: アニメ;中日関係;中日交流
印刷

多数の肯定的コメントに感動  

李岩松 今、田濤さんが話してくれたような話を全部アニメにも入れられたら良かったのですが、現状でも十分内容が膨大なんです。120人近くいるチームメンバー全員が統一されたプロセスの下で1枚ずつ描き、協力し合って無事に完成させました。なので、アニメーションは集団による作品であり、スタッフ全員の血と汗の結晶とも言えます。アニメ制作の過程においては、真実の出来事を高度に再現し、当時の社会環境における人々の生活状況を映像や演技でよりリアルに反映させる必要があったため、私たちにとっても大きなチャレンジとなりました。でも、私たちのアニメーションチームは中国の東北地方で育ったため、この土地で起こった物語への深い理解と親しみも持っていました。使命感の大きさに、私たちは大きなプレッシャーを感じるとともに、この作品を完璧な状態で視聴者に見せなければならないと奮起させられました。数人の専門アドバイザーと共に、何度もやり直し、磨き続け、1年半かけてようやく完成させました。私たちは制作しながら、当時の民衆と軍隊の間の親密な関係に触れ、張栄清さんの選択の一つ一つを深く理解することができました。

李昀 漫画を描くとき、私もそのようなリアルな選択に感動を覚えました。人民が歴史的に中国共産党を選んだ、という言葉はよく知られていますが、この「人民」には中国の人民だけでなく、世界の労働者大衆も含まれています。そして、砂原さん、もとい中国人民解放軍兵士・張栄清の人生は、人民から選ばれるとはどういうことかを見事に体現しているのです。アニメ化によって、『血と心』という作品をより多くの方々に見てもらうことで、上記の言葉の意味をより直感的に理解し、受け止めてもらうことができると考えています。「二次元」作品の若者向けの優位性を生かすには、これが一番の方法だと思います。

李岩松 この作品は、長い時間をかけて制作され、その間に全国の視聴者から励ましと支持を得ました。この作品を楽しみにしていた多くの視聴者が、「ゆっくりでいいから、しっかり制作してください。待っています」と応援し続けてくれたのです。このようなコメントが多く寄せられ、その心遣いに何度も感動し、それが困難を乗り越える力となりました。また、人々の期待から、中国にはこのような、国民の期待に応える良い作品が必要であることが分かりました。

朱承銘 歴史や日本人に関する内容のため、プロジェクト立ち上げ時や制作中は、ミスや悪口、誤解を恐れて、プレッシャーを感じていました。しかし、最初から最後まで真剣にやり抜こうと決めたのは、この伝奇的な歴史、主人公の信念と心情、そして党と人民軍隊の革命の初心に感動したからです。この感動をより多くの若者に届けたいと思ったのです。現在、すでに数話がオンラインで配信され、大きな反響を呼んでいます。たくさんの弾幕に感動しましたが、革命の初心を称賛し、国際主義を肯定するコメントが多数寄せられたことで、さらにうれしく感じました。2年間、苦労と努力をしたかいがあった気がしました。多数の視聴者の反応から、多くの若者は、理想、信念、熱い思いという言葉に強く共鳴することが分かります。天国にいる砂原さんやその戦友たちがこのことを知ったら、さぞ喜ぶことでしょう。

中日関係史を反映した初のアニメ  

高洪 それは間違いないですね。なぜなら、全てのアニメ、さらには広い意味でのコンテンツ産業の作品に伴う苦労や成果以外にも、アニメ『血と心』には、他とは違う深層的な価値と意味があるからです。まず、それが非常に感動的な実話だということです。主人公の砂原恵は、解放軍に所属していた多数の日本人兵士とは異なり、幼い頃に関東軍に盲目的に憧れていただけで、日本軍に入隊した体験はありませんでした。特殊な歴史の流れの中で、善悪の区別がつかない無知な少年から、侵略戦争を心から嫌うという心の変化を遂げました。その魂の浄化の果てに、中国の貧しい農民として人民軍隊に入隊した主人公は、その血潮が燃え盛る年月の中で、戦争に反対し、平和を擁護し、労働者階級のために戦う強い兵士に成長したのです。次に、独特な歴史的視点があるということです。近代史において、日本の一般人は対外侵略戦争の参加者であり被害者でもありましたが、『血と心』の主人公はそうではありません。革命戦争の流れの中にいた「張栄清」は、「砂原恵」として大和民族の血を受け継いではいましたが、その魂はすでに民族対立から階級対立への思想的変容を遂げていたため、歴史の善悪に対する理解と侵略戦争に対する批判がより深くなっていました。このような中日間の近代史に対する深い理解が、今日の視聴者を啓発することを心から願っています。

劉飛 「中国の物語をしっかりと語る」という意味でも、このアニメの誕生は時代的な意義を持っています。革命の時代は、今の時代、今日の人々の生活とはかけ離れているため、現代の人々に中国革命の物語を伝えるのは容易なことではありません。しかし、成長、ヒロイズム、理想主義、人生の意味と価値、自己実現、自分の「居場所」探しといった問題は、時代を超えて全ての人が向き合わなければならない問題です。『血と心』は、こうした人間の運命に関わる普遍的なものを捉えた作品です。これらのテーマを通して、中国共産党が主導した中国革命事業は、平和と安寧、公平と正義、そして人々の幸せな暮らしを追求するためのものだと表明しました。だからこそ、このアニメは人々に楽しんでもらえる「驚異的な」作品になり得ると、ますます確信するようになりました。

まさにお二人の仰る通りです。最初に『人民中国』が砂原さんを取材したときは、漫画に展開するという発想はなかったんです。たまたま見た日本のテレビドラマ『レッドクロス~女たちの赤紙~』が、砂原さんと同じ時代を舞台にしていて、戦争への反省もあるのですが、時代についての叙述の論理に考えさせられました。それで、砂原さんの物語をもっと伝えたいと思うようになりました。そして今、この物語は記事から漫画へと広がり、さらにビリビリ動画の皆さんの慧眼によって、若い視聴者の期待を集める国産アニメの大作となったのです。これは、従来の紙媒体が時代遅れではないことを証明しました。温かみと深みのある素材の探求にこだわり、何世代にもわたる国際広報事業の先輩たちが守ってきた初心と情熱をしっかりと堅持し、ビリビリ動画のような実力のある制作チームと協力すれば、面白くて有益なメディア統合の新しい道を切り開けるのです。この素材を深く掘り下げれば、将来的には実写映画化も可能です。北京大学の戴錦華教授は、20世紀の劇的な革命時代を論じるには、正義を守り、善と悪について明確で毅然とした態度をとることが重要だと述べています。その点、『血と心』は、私たちが遠ざかってしまった歴史叙述の方法を取り戻し、さらにZ世代の美意識にも応えて両者を両立させるための試みとでも言えるでしょう。作品の前半では、ファシズムと軍国主義による国民に対する思想的、文化的、経済的な迫害を描き、後半では、主人公の革命の初心を非概念的に、説得力をもって生き生きと説明しています。そのため、同作は、『レッドクロス』のような類似の題材と対話することが可能な作品となりました。『血と心』は、中日関係史を積極的に振り返った初のアニメ作品で、中国の若者には愛国心と国際主義を喚起させ、日本の若者には正しい歴史観と中国観を持たせる啓蒙的な意義があります。人物の物語と作品の革新性の両面から、この作品が歴史に残る伝説となることを期待しています。

高洪 王さんのご意見に同意します。中日関係は現在も「重要な岐路」に立っています。今後どのように進むかは、人々が真剣に考えなければならない大きな問題です。中日国交正常化50周年を迎えたばかりですが、日本の政界には「中日関係非正常化」の暗流が押し寄せ、日本社会全体には不健全な「反中」感情がまん延し、中日関係は複雑かつ深刻な試練に直面しています。日本側には、歴史を軽視し、欧米に追随してさまざまな場面で中国関連問題を悪意を持って騒ぎ立て、一部の国の反中国・中国封じ込め工作に積極的に協力する人がいます。今後の中日関係の行く末は、後世に大きな影響を与える歴史的な選択となります。そのため、個人的には、この作品が早く日本でも配信され、善良な日本国民はもちろん、日本の一部の友好的ではない政治家も、この作品から健全な歴史の栄養素を摂取し、より冷静で賢明な判断ができるようになってほしいと願っています。

朱承銘 先生方のお話を聞いて、この作品の意義が一層深まったような気がしました。ビリビリ動画では昨年11月より毎週配信し、現在、全12話の更新が終わるところです。どうやら私たちは無意識のうちに地域の平和と人類の運命に貢献しているようです。長らくこの作品に関心を持ち続けてくれた皆さんに感謝しています。まだご覧になっていない方は、全話が配信されてから一気に見るとより楽しめるでしょう。この作品は後日、日本でも配信される予定です。今年は中日平和友好条約締結45周年を迎えます。中日の友人たちがこの作品に深く関心を寄せることを期待しています。砂原さんの物語を通して、真剣に考え、議論を行い、歴史を学び直し、初心を振り返り、苦労のたまものである平和を大切にしましょう。

「人民中国インターネット版」2023年2月23日

前のページへ123
シェア:
リンク  

このウェブサイトの著作権は北京週報社にあります。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。


住所 中国北京市百万荘大街24号 北京週報日本語部 電 話 (8610) 68996230
  京ICP备08005356号-4 京公网安备110102005860

违法和不良信息举报电话:86-10-68357014

中国語辞書: