中儲糧成都儲蔵院の設計技師である薛飛氏は四川省成都市新津区で4日、操作パネルの変動し続ける気圧パラメーターを見つめ、細かく点検を行った。「シー・アンド・レール＋道路」の長距離輸送を経て、鎮江から入国した輸入大豆が今月、優先的に食糧エアドームに入るようになる。科技日報が伝えた。

世界初開発の架空式食糧エアドームとして、中央儲備糧四川新津直属庫には、このようなエアドームは4基ある。その高さは36.1メートル、直径は23メートルで、1基当たり7500トンの食糧を備蓄できる。成人が一日当たり250グラムの食糧を摂取するとして計算すると、1基で7万人の1年分の食糧を確保できる。

北京市で2017年9月14日に行われたイノベーション成果展で、中炭エネルギー集団が展示した「中炭雷奥」と呼ばれる鉄筋コンクリート構造のエアドームが、同展を見学した中儲糧集団のメンバーの視線を引きつけた。同エアドームは斬新な工法と特別な構造を採用し、優れた断熱性と気密性を持ち、外界から貯炭に入るエネルギー量を減らす。また貯炭に入る冷たい空気が長時間倉庫内に留まることでエネルギー消費を大幅に削減し、総合的な経済効果を高めることができる。

エアドームで貯炭できるならば、食糧を備蓄できないのだろうか。

中儲糧成都儲蔵院研究設計センターの余鵬彪センター長らは直ちに中炭建安集団を訪れ、同社の研究者と計算を行った。食糧エアドームの建設コストは従来的な食糧庫と変わらないが、低温の食料備蓄を実現でき、使用中のエネルギー消費量を3割以上削減できる見通しだという。

しかし、食糧と石炭には雲泥の差があり、貯炭庫は食糧の直接備蓄に向かない。食糧の倉庫保管条件は石炭より非常に厳しい。複数の科学研究機関及び大学の各分野の専門家と検討を繰り返した食糧エアドーム研究開発チームは、貯炭庫を食糧庫に変えるためには「換骨奪胎」が必要であることに気づいた。

中炭建安集団成都分公司のチーフエンジニアである李利軍氏は、「設計チームは4年をかけ、研究拠点で3棟の「実験庫」を建造し、各設計案のパラメーターのパフォーマンスを比較した」と振り返る。

風力機器の調整など複数の前期プロセスを経て、同プロジェクトの1基目のエアドームが105分の時間を経て、2022年6月7日午後6時45分に完成した。

「私が見た中で性能が最高の食糧庫だ。先ほどの圧力テストによると、この食糧エアドームの気密性がより高いことが明らかだった！」。国家食糧局鄭州食糧庫機械品質監督検査試験センターの孫慧男センター長は、次の目を引くデータを披露した。食糧エアドームの気密性は非常に優れており、500Paから250Paの半減期の3回の検査結果はそれぞれ2987秒、4312秒、3485秒だった。

この3つのデータは何を意味するのだろうか。国の高基準食糧庫への気密性の要求は300秒で、食糧エアドームの気密性は国家基準の9倍以上だ。これはその断熱性が非常に優れていることを意味する。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年4月7日