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グローバルサプライチェーンに生じる「四つの東方への移転」
魏建国  ·   2020-03-31  ·  ソース:北京週報
タグ: サプライチェーン;新型肺炎;経済
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河北省沙河市にあるガラス生産企業のオートメーション生産ラインでガラスを運ぶアームロボット(写真=新華社提供)

新型コロナウイルスによる肺炎の影響により、多くの人は外資が中国から撤退していくと考えている。私の考えはむしろ逆で、新型肺炎の終息後、世界の生産チェーン、サプライチェーン、サービスチェーン、産業クラスターには大きな変化が生じ、中日韓を中核とする北東アジア経済圏が世界の産業発展の中心となり、グローバルサプライチェーンは「西から東へ」移転していくとみている。このことについて、私は「四つの東方への移転」に集約されると考える。

ハイエンド産業が東方へと移転する。新型肺炎の終息後、中国と日本、韓国などの北東アジア地域の回復は比較的早く、クラウドコンピューティング、ロボット、ビッグデータ、スマート製造、新素材などを含むハイエンド産業は北東アジアに集積されていく。経済の法則に照らし合わせると、グローバル産業の発展は消費の成長が著しい地域に向かって近づいていく。中国には4億人の中間所得層を擁する巨大な消費市場があり、新型肺炎の終息後に中国の消費は爆発的な伸びをみせ、とりわけ新しいタイプの消費、アップグレードした消費、モノの消費、サービスの消費は今後の消費市場をリードしていく。また、今年の消費品の小売総額は45兆元に達し、アメリカを超えて世界最大の消費市場になることが見込まれている。

技術資本が東方へと移転する。北東アジア経済圏におけるグローバル産業チェーンの集中は、世界をリードする技術と大量の国際資本も中国にもたらした。今年、中国で外商投資法が施行され、ビジネス環境がさらに向上したことにより、外商投資は新たなブームを迎えるだろう。新型肺炎の終息後、中国はサプライサイドの改革を通じて経済構造の重大な調整を進め、中国経済の発展の質をさらに高めて、世界のハイテク企業による中国への投資も呼び込むだろう。

ハイエンドサービスが東方へと移転する。この度の新型肺炎は中国の消費のアップグレードを促し、ハイエンド消費品、ハイエンド医療などはいずれも東方へと移転していく。そのうえ、中国の質の高い経済発展はより高水準なサービスを必要としている。この度の新型肺炎は飲食業などに比較的大きな影響を及ぼし、2019年には全国の飲食業の消費額は4兆6721億元と、全国の社会における消費品の9.4%を占めていたが、新型肺炎の終息後、人々の飲食における消費のアップグレードはサービスのアップグレードも後押しし、これは世界のより多くのハイエンドサービス企業の中国市場への参入を呼び込むだろう。

ハイエンド人材が東方へと移転する。グローバルな産業移転は必然的にハイエンド人材の東方への移転をもたらし、インターナショナルなハイエンド人材も中国市場に狙いを定めている。マサチューセッツ工科大学がアメリカ以外で初となるイノベーションセンターを香港特別行政区に創設したのは、粤港澳大湾区の発展のチャンスに目をつけたからだ。より重要なのは、中国国内の各地域が外資を呼び込むために、ハイエンド人材と不足している人材に対して政策的支援を与えたことだ。このことはインターナショナルな人材が東方へと移転する際に重い税金負担を求められるという疑念を打ち消すことができ、インターナショナルな人材が中国に流入するのを促す上で有益だ。

これらのことから分かるように、グローバルサプライチェーン、産業チェーン、サービスチェーンが「東方へと移転する」のは大勢の赴くところで、阻むことはできず、北東アジア(中国、日本、韓国)はグローバル経済の発展のエンジンとなるだろう。アップルのクック最高経営責任者(CEO)が言うように、トランプ大統領に要求されたところで、アメリカでは一つのネジですらサプライヤーを見つけ出すことができないため、アップルはアメリカに戻ることはない。そのため、グローバルサプライチェーンの東方への移転に従い、アメリカ、ドイツ、フランスなどを含む各国のハイエンド製造業はいずれも東方へと移転し、これは新型肺炎の終息後、今年の中国経済の変わらない安定成長のために良好な産業基盤を打ち立てた。

(魏建国 商務部元副部長・中国国際経済交流センター副理事長) 

「北京週報日本語版」2020年3月31日

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