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マスクよりも不足するものとは?
  ·   2020-03-09  ·  ソース:人民網
タグ: マスク;生産能力;経済
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中国石油化工集団(中国石化)は2月6日、マスクの生産に必要な原材料の不織布の在庫があるので、マスクを作る機械を手に入れてマスク生産に協力したいとしていた。しかし最近は不織布が不足気味で、マスクメーカーが争って買い求めるようになった。中国新聞社が伝えた。

機械はあるが、不織布がない

中国石化はこのように呼びかけたが、業界の枠を超えてマスクを生産する比亜迪(BYD)は、「うちには生産ラインはあるが、不織布が手に入らない」状態だ。

不織布の不足に悩むのは比亜迪だけではない。マスクメーカーの責任者は、「一部メーカーの不織布は調達価格が1トンあたり15万元(1元は約15.2円)に跳ね上がり、それでも現物は手に入らない。在庫がなくなって生産を停止したメーカーも数社ある」と話す。

湖北省仙桃市の複数のマスクメーカーの話によると、「今は普通の使い捨てマスクの在庫はあるが、医療用マスクは原材料不足で在庫がない。不織布には民間用と医療用があり、今すぐに必要なのは医療用の基準を満たした原材料だ」という。

不織布はマスクの「心臓」

不織布がなぜこれほど重要なのか。不織布はマスクの構造の中間にあるフィルターであり、比較的大きい粒子をキャッチするだけでなく、表面の静電気の力で微小な粒子、細菌、ウイルスの飛沫も吸収する。マスク生産では非常に重要な原材料で、N95マスク、KN95マスク、医療用マスクの「心臓」と呼ばれている。

医療用マスクは3層以上の不織布からなり、内側と外側がスパンボンド不織布の単層、中間がメルトブロー不織布の単層または多層というSMS構造をなしている。メルトブロー不織布はメルトブローフィルターの最も優れた原材料だ。

3層構造がすべて不織布であれば事足りるのかといえば、そうではない。内側と外側のスパンボンド不織布は汗や水に強く、中間のメルトブロー不織布は細菌やウイルスを吸収して広がりを抑える。スパンボンド不織布の繊維は直径が髪の毛の3分の1ほどだが、メルトブロー不織布は30分の1ほどでさらに細い。この2つは生産の技術も工程も異なる。

原料がマスクになる工程は簡単に言えば、原料のポリプロピレン樹脂、メルトブロー材料、メルトブロー不織布、マスクの生産という4つの部分からなっている。

メルトブロー材料を生産する企業の専門家の話では、「現在、中国国内にはメルトブロー材料の十分な供給がある。日産1億枚として計算すると、1日に必要なメルトブロー材料は大体100トン余りだ。2019年のメルトブロー材料生産能力は10万トン(生産量は7万トン)で、最近増加した生産能力15万トンを合わせると25万トンになる。操業の再開につれて需要は満たされるようになるだろう」という。

原材料の生産能力は十分にあり、価格も下がっているのに、不織布はなぜ値上がりしたのだろうか。

石油化学工業の情報を提供する隆衆資訊の竇立坤アナリストは、「新型コロナウイルスによる肺炎が拡大すると、既存のマスクメーカーが積極的に生産を拡大し、限界まで生産しただけでなく、市場には新たに大量の生産能力が登場し、BYD、上汽通用五菱汽車、富士康といった製造業大手もその中に含まれていた。この局面が中国国内で原材料の供給不足を激化させ、特に不織布の不足を招いた」との見方を示した。

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