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伝統漁業とモノのインターネットの融合が生んだ大きな成果
本誌記者・尉紅琛  ·   2020-01-13  ·  ソース:北京週報
タグ: IoT;農業;経済
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浙江省における淡水養殖漁業の盛んな県として、徳清県全体の水産養殖総面積は20万5000ムーを誇る(写真=取材対象提供)

モノのインターネット(IoT)はテクノロジーの最先端を行く新興産業である一方、魚の養殖は自然の恵みに頼る伝統的な農業生産方式だ。多くの人々にとって、この二つが直接的な繋がりを生み出すのは難しいように見える。だが、魚の養殖に14年携わっている沈雲建さんにとって、IoTはようやく彼に「安眠」をもたらしてくれたものだ。

沈雲建さんは浙江省湖州市徳清県の村民で、年は50を過ぎており、奥さんと共に当地で70ムー(1ムーは約6.7アール)の養殖池を請け負っている。半数近くの村民が漁業を生業とするこの土地で、夫妻は他の漁民と同様に、伝統的な露天養殖方式による魚の養殖を行っている。

養殖池を見て回るのは魚の養殖に携わる者にとって夜間の最も大事な仕事の一つだ。養殖池の酸素は水草類の光合成に頼っており、日が当たらない夜間には水中の溶存酸素量は大幅に減少する。わずかな酸素不足が魚類の成長速度に影響し、深刻な酸素不足は養殖魚の大量死を引き起こす。そのため、魚の養殖業者は夜間に養殖池の状況を見て回り、しっかりと酸素を供給するためにそのつど酸素ポンプを増やす調整を行わねばならない。

かつて、夫妻は2~3時間おきに1度養殖池を見て回らなければならなかった。養殖の繁忙期には、4~5カ所の養殖池での仕事量は2人にとって常に息をつく暇もないほど忙しいものだった。「特に夏になると毎晩落ち着いて寝ることができず、池の酸素が足りないのでは、処理が手遅れなのではと大変心配していました」と沈雲建さんは語った。

しかし、ここ2年で状況に変化が現れた。現在の沈雲建さんはいつ、どこでもすべての養殖池の水中酸素量や水温などの状況を把握できるだけでなく、スマートフォンのアプリを通じて自宅で酸素発生器のスイッチを遠隔操作することもでき、もはや魚の養殖のために徹夜をする必要もなくなった。

これはすべて徳清県が農業のデジタル化を推し進める過程で取り入れたIoT技術のたまものと言うべきだ。

徳清県は浙江省北部に位置し、豊かな水資源を持ち、浙江省における淡水養殖漁業の盛んな県として、徳清県全体の水産養殖総面積は20万5000ムーを誇る。しかし、長い間淡水養殖は主に漁民自身の経験が頼りで、リスクが大きいだけでなく、出費も多く、汚染もひどかった。

いかに伝統的な漁業が直面する苦境を突破するかは、徳清県がデジタル化農業を発展させる上で直面する一大課題となり、IoT技術の導入はそのための突破口を見つけ出した。

「博士号を持つ漁夫」による養殖業でのIoT活用

浙江省内で率先してIoTによる魚の養殖を試みたのは、徳清県からそう遠く離れていない菱湖鎮だ。2016年、父親が携わる魚の養殖の大変さを熟知していた中国科学院博士の沈潔さんは高給の仕事を辞め、先進的なIoT技術を携えて故郷である湖州市菱湖鎮へ戻り、1人で浙江慶漁堂農業科技有限公司を立ち上げ、養殖家、飼料製造業者、営業店、金融機関など関連する個人や企業、機関が集まるIoTプラットフォームを組み立てた。

「IoTは単一の技術ではなく、総体的なイノベーションモデルです。その真価を発揮させるには、技術と業種を繋ぎ合わせる必要があります」。沈潔さんからすると、漁業は一つの良いテストだった。漁業はIoTの発展に合致した下地を持っており、IoTはこの業種に極めて大きな付加価値の余地をもたらすことができる。IoT技術によって、沈潔さんはスマート水産管理プラットフォームを開発した。養殖池の中に設置されたセンサーや池のそばのメーターボックスが、遠く離れた都市・町の監視センターと繋げられたのだ。

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