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中国を米貿易赤字のスケープゴートにしてはならない
スティーブン・ローチ  ·   2018-03-29
タグ: 中米経済;貿易;経済
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相互に依存し、互利互恵の関係を維持してきた中米両国。その経済協力は長きにわたる。輸出主導型の中国経済は米国の消費需要を頼りにし、貯蓄が不足する米国は廉価な中国商品と外国の余剰な資本を輸入する必要がある。しかし今、情勢はきな臭さを増し、世界で最も重要な経済関係は非常に面倒な事態に直面している。

米国の貿易政策上の態度に変化が現れたのは、別に不思議なことではない。トランプ氏は第45代米国大統領就任の宣誓の際、「保護こそが繁栄と強さにつながる」と明確に強調していた。今、トランプ政権はその言葉を行動に移し、公の場で、トランプ大統領が言うところの「恐ろしい貿易協定の虐殺」から米国の労働者を守ると宣言した。その主な標的は明らかに中国である。 

現在、様々な緊迫関係がますますその度合いを増している。1月22日、米国は太陽光パネルと洗濯機の輸入に対しいわゆる「保障性関税」(国家安全保障上の必要性に基づく関税)を課し始めた。この措置が主に念頭に置いているのは中国と韓国である。3月初めには鉄鋼・アルミニウム製品に対する高額関税が発表されたが、中国への直接的影響は非常に限定的だ。特に鉄鋼製品については、米国の鋼材輸入総量に占める中国産鋼材の割合は3%に過ぎない。しかし、これによって中国の世界最大の鉄鋼・アルミニウム生産国という地位が付帯的影響を受けることは間違いないだろう。 

重要なのは、今後もさらに多くの激しい措置が続く可能性があることだ。昨年8月、トランプ大統領の指示により、ロバート・ライトハイザー米国通商代表は『1974年通商法』301条に基づいて、米国の利益を脅かすとされた3分野(知的財産権、イノベーション、技術移転)について、中国に対する調査を開始した。これらの調査の注目点は、中国の法律、政策、オペレーションまたは行動に「不合理性や差別性が存在」するかどうかである。最終的に米国は中国からの輸入商品に対し広範囲の課税を行うというのが大方の見方だ。米国の中国からの輸入商品総価値は2017年に5000億ドルを超えた。 

欠陥のある分析 

ワシントンで長い間盛んに行われているマクロ経済分析には、ある重大な欠陥が存在する。そして不幸なことに、トランプ政権の反中貿易という立場はまさにそれに基づいている。民族主義的偏見から、米国は間違った態度で、しかも頑強に、中国をスケープゴートにしして問題の罪をなすりつけ、自国の中産階級労働者が苦しんでいることの罪を中国と巨額の対中貿易赤字になすりつけた。しかしこうした非難は非常に重要な点をないがしろにしている。2017年、米国は102カ国との間に貿易赤字が存在していたのである。 

多国間貿易の不均衡問題は理由もなく起こるのではない。これは米国国内の貯蓄不足が招いた必然の結果である。2017年の第1~第3四半期、米国の国民純貯蓄(政府・企業・住民貯蓄の通貨下落調整後の総和)平均は国民所得のわずか1.9%で、前世紀の最後の30年の平均値6.3%の3分の1にも届かなかった。米国の貯蓄は現在全ての先進国で最低レベルにある。国内貯蓄が不足しているのに消費と成長を望むという状況下で、米国は国外から余剰貯蓄を輸入し、巨額の経常収支赤字と多国間貿易赤字によって外資を導入しなければならない。 

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