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「匠の精神」を追い求め過ぎて衰退した日本の製造業
  ·   2016-04-12  ·  人民網
タグ: 日本;匠の精神;経済
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  クライアントの会社で日本から取り寄せた工業用ブラシを何度も目にした。もちろん、その品質は中国製より高い。それは、高品質というよりは、「芸術品」と言ってもいいほどだ。中国の企業が作る商品の多くは、機能だけに注目し、見た目やそれがもたらす快適度などにはあまり気が配られていない。しかし、日本の企業はその面に工夫を凝らしている。あまりに美しいため、使うのがもったいないと感じるほどだ。しかし、美しさにはデメリットもある。そのような高品質の製品の多くは、従業員の少ない会社で作られ、自動化が進んでいないため、大量生産が難しく、生産コストが高くなってしまう。

考えなければならないのは、工業用ブラシは、工場で使う道具の一つに過ぎず、消費財ではないため、外観は重要ではない点だ。全ての商品を「芸術品」のように作る必要はない。職人が緻密さを追求するのはもちろんいいことがだが、クライアンがそれを求めて買ってくれることが前提となる。

筆者は台湾系の受託製造メーカー(電子系)で1年働いたこともある。生産において、「完璧」を求めると効率が下がり、多くの浪費につながることを身にしみて感じた。例えば、液晶モニターの外側の色を変えるだけで、「新製品」と見なされ、全てのテストを1から行う。外側とまったく関係のない電子部品であっても、もう一度テストしなければならず、その全てがコストとなる。

「匠の精神」があれば、より完璧に近い製品を作ることができる。だが一方で、コスが上がれば收益が減るという法則が働き、品質を一定まで向上させ、「匠の精神」を発揮して「完璧」を求めると、得よりも損のほうが大きくなってしまうだろう。湯之上氏が、「性能と指標を過酷なまでに追求した結果、市場の実際のニーズのレベルを軽視し、必要のないコストを投入した」というのは、そのような意味だ。コストをないがしろにして作った「芸術品」は、「ぜいたく品」に近く、コストパフォーマンスを気にしない大金持ちしか必要としない。市場全体を見れば、コストパフォーマンスを求めないクライアントの割合は非常に低い。

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