中文 | English | Français | Deutsch
 
 
ホーム 政治 経済 社会 中日交流 文化 文献 特集
ホーム >> 文化 >> 本文
  • descriptiondescription
「麺人」工芸職人の郎佳子彧さん「僕はアーティスト」
  ·   2022-01-20  ·  ソース:人民網
タグ: 工芸;職人;文化
印刷

また、材料となる小麦粉は芸術として発揮できる可能性が限られているのではないかという考えにとらわれた時期もあった。「作品も小さく、表現したい思いを上手く誇張して表現することもできない」という思いから、ついには「一体どうやって『麺人』作りを学んでいけばいいのだろうか」というところまで思いつめたという。

その転機は大学在学中に訪れた。ある芸術展を見に行った際、パンを使って様々な形の手を作りだし、壁いっぱいに貼り付けるというアーティストの作品を目にした。パンが乾燥してひび割れた様子がちょうど手の皺を表現しており、独特の美しさが表現されていた。

「その時突然、いわゆる材料の限界というのは、実は自分自身の才能が不足しているからで、用いる材料の最大の欠点は、実は最大の長所となる可能性があるんじゃないかと思った」と郎佳子彧さん。その時から、彼は「麺人」作りの芸術的な表現力に対する疑問を抱くことはなくなり、むしろそれを最高の域まで高めようと努力し始めた。

勉学の傍ら、郎佳子彧さんは個人のソーシャルメディアで発信するようになった。動画撮影だけでなく、一部のオフラインのイベントにも参加して、「麺人」作りの芸術についてPRし続けた。大学院2年の時、彼は将来の職業の選択について考え始めたが、起業するかどうかという点で結局決心することができなかった。

そして2020年年初のある夜、郎佳子彧さんのスマホは友人たちから送られてきたメッセージで埋め尽くされた。それは彼の幼いころからの憧れのスターだったNBAの元プロバスケットボールプレーヤー、コービー・ブライアント選手がヘリコプターの墜落事故で亡くなったというニュースだった。

郎佳子彧さんは、「その時ようやく実感した。明日にはどうなるかわからないのならば、やりたいと思ったことはすぐに実行に移すべきだ、と。そして、起業した」とした。

孤独さと快適さと

郎佳子彧さんの仕事は朝10時から夜12時まで。忙しい時には食事の時間すら取れないほどだという。一番つらかった時期、アトリエのメンバーたちは貯金を切り崩しながら頑張るしかなかった。

郎佳子彧さんは『麺人』作りに対して複雑な思いを抱いている。「時間の中から抜け出したようなリラックスした感覚を得ることができる」とする彼は、『麺人』作りで自分を表現する過程を楽しみ、「大勢になびかない」ことで生じる楽しさを享受している。そして、「この点は、僕がとても魅力を感じる点であり、僕自身も得意な点と言えるだろう。それに客観的に見ても、伝統文化は現在復活しつつある」とする。

「無形文化財」を保護する必要があるのは、それが希少だからだ。以前、郎佳子彧さんに、「ニッチな職業というのはどういう感じですか?」と質問した人がいたという。その質問に対する郎佳子彧さんの答えは、「自分はどこまでも続く大海の中で、小舟のように漂っているような存在。空母の上では味わえない快適さもあるけれど、孤独も感じる。でも時には、その孤独感は一種の栄誉だとも言える」というものだった。しかしその一方で、郎佳子彧さんは「そんな小舟がたくさん現れることを願っている。いつの日かそんな小舟が海一面を覆い尽くして欲しい」とその思いを語った。(編集TG)

「人民網日本語版」2022年1月20日

前のページへ12
シェア:
リンク  

このウェブサイトの著作権は北京週報社にあります。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。


住所 中国北京市百万荘大街24号 北京週報日本語部 電 話 (8610) 68996230
  京ICP备08005356号-4 京公网安备110102005860

中国語辞書: