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動画サイトビリビリの垣根をこえた中国の若者文化
  ·   2020-04-26  ·  ソース:人民網
タグ: 若者;動画;文化
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2019年12月31日に初の年越しライブ番組を配信し、大盛況となった動画共有サイト・bilibili(ビリビリ)が最近、新型コロナウイルス感染予防に関する科学知識を伝える動画や刑法専門家・羅翔氏の講座の動画などを配信し、話題をさらっている。解放日報が報じた。

ビリビリにはいわゆる、「Z世代」(90後[1990年代生まれ]と00後[2000年以降生まれ]の総称)が好む文化の集積地となっている。若者特有の文化的活力と創造力は、そのサークルの垣根をこえて人気を集めると、多くの人々の関心と注目を集めるようになり、社会からより注目されるようになっている。

「ビリビリで勉強」が合言葉に 

3月初めに、ビリビリに立ち上げられた新規アカウント「羅翔が語る刑法」は、瞬く間に大人気となった。アカウント開設からわずか3日で、フォロー数は100万人を突破し、初めてアップされた動画の再生回数は600万回を超えた。中国政法大学の教授である羅氏がネットで初めに注目を集めたのは、法律試験の補習校がビリビリに羅氏による一連の講座の動画をアップしたのがきっかけだった。講座の内容は非常に分かりやすいだけでなく、「名言」を連発し、「羅氏の講座は漫才を聞いているみたいで、普通の人が聞いても楽しめる」と評価する人もいるほどだ。

知識や科学知識を伝える「うp主」(動画などのコンテンツをアップロードして公開した人)で人気となっているのは羅氏だけではなく、ビリビリで多くのフォロワーを抱えているそのような「うp主」はたくさんいる。ビリビリのジャンルの中でも、「テクノロジーゾーン」では、動画の再生回数が常にランキング上位に入っている、大人気アカウントが続々と誕生している。新型コロナウイルス感染流行期間中、人民日報や光明日報、中国中央テレビ局(CCTV)など、複数のメディアが転送した動画「なぜまだ外出は控えるべきかが分かるコンピューターのシミュレーション」もビリビリのテクノロジーゾーンにアップされた動画だ。製作者は、90後のプログラマー楊涛さんで、趣味は「教師」、副業でオフラインの教育機関の教師として授業を受け持った経験もあるが、学生がほとんど集まらなかったため、各授業の内容を約15分の動画にまとめ、ビリビリにアップしたところ、予想外にも大勢のフォロワーが集まった。「大学で一学期間勉強したけどまったく分からなかった。でも、楊先生の十数分の動画を見ただけで、すぐに理解できた」との声を寄せているフォロワーもいる。

このように現在、「ビリビリで勉強しよう」が流行語となっている。2019年、ビリビリの学習系のうp主の数は前年比151%増、学習動画の再生回数は前年比274%増に達した。この「学習」は、一部のマニュアルに基づくネット授業とは異なり、天文や地理、法律、政治、生活など、内容もバラエティーに富んでいる。動画は若者の好む作成スタイルとなっており、リズムが速く、ユーモラスで、新鮮味があり、生き生きとしていて、おもしろく、好奇心旺盛な若者にぴったりだ。

「中国風」マニアたちの舞台になったビリビリ 

近年、中国の古い時代を舞台にした歴史ドラマや、仙人や侠客を主人公にしたドラマやゲームなどが一世を風靡し、「国風(中国風)」が若者の間でポップカルチャーとなり、特定のサークルもできている。例えば、漢服サークルが次々に登場し、歴史ある街並みが残る観光地では、漢服を着た女性たちが歩く姿をよく目にするようになった。また、「中国古典音楽」も若者に大人気のジャンルとなっている。ネット上では、中国古典音楽歌手が続々と誕生し人気を集め、彼らは一般的にはほとんど知られていない歌手がほとんどだが、ネット上では100万人以上のフォロワーを抱えているケースも多い。

2019年、ビリビリの中国風マニアの数は8347万人に達し、その83%が24歳以下だった。今年1‐3月期、ビリビリの中国風の動画投稿数は前年同期比124%増、中国風のうp主の数は同比110%増に達した。うち、「中国古典音楽」、「伝統文化」、「民族音楽」、「舞踊」などのワードが入った動画の投稿数が顕著に増加している。

今年3月末、中国青少年ニューメディア協会は、ビリビリと共同で第3回中国華服デーオンラインパーティーを開催。中国共産主義青年団中央はビリビリのプラットフォームでそれを初めから最後までライブ配信した。ビリビリは、730分のライブ配信と320分の録画番組を準備した。

同イベントでは、うp主「古琴診所」(上海自得琴社)がユニークな民族音楽のパフォーマンスを披露。古風な中国画を背景に、中国の伝統衣装を身にまとった若者らが、「七子之歌」の演奏を披露し、中国画の中の楽器演奏者が蘇ったような雰囲気を作り出した。「古琴診所」はこれまでにも中国装束再現グループとコラボし、ドラマ「長安十二時辰」の挿入曲を演奏する動画を投稿し、ビリビリや微博(ウェイボー)、YouTubeなどのプラットフォームで再生回数が合わせて5000万回以上に達した。YouTubeでは、ロシアやフランス、ブラジル、クロアチア、日本などからフォロワーが集まっている。あるネット上からは、「ポスト李子柒(リー・ズーチー、中国の人気ビデオブロガー)」との声も寄せられている。

「古琴診所」のメンバーのほとんどは80後(80年代生まれ)と90後だ。メンバーの一人・唐彬さんは、「子供の頃から、フルートを習っていた。でも、それは親にさせられていただけで、好きではなかった。高校生だったある時、映画『英雄』の中で、囲碁会館で登場人物が古琴を演奏しているシーンがあって、それを見て感じるものがあった。その後、授業をさぼってこっそり古琴を習いに行くようになり、今では古琴の先生になった。自分が好きな古琴を演奏するというのは、親にやらされているのとは違う」と語る。

理解し合える仲間を探す若者たち 

「ユースサブカルチャー」という言葉でビリビリ文化を揶揄する声もある。ユースサブカルチャーというのは元々、大人の社会の秩序に反抗し、それを覆そうとする「異端」と見なされている若者のグループを指す。

しかし、中国の「ユースサブカルチャー」はそれとは大きく異なる。中国社会科学院・社会発展戦略研究院の研究員・田豊氏や復旦大学新聞伝播学院の潘霽教授は、「中国の若者は比較的内向的で、温和、中国伝統文化の影響も多少なりともあり、反抗的ではない。せいぜい、『自分の好きなことをするだけ。理解できない人とは、互いに干渉し合わない』という程度だ。もし主流となるグループやまたは上の世代の人々が進んで耳を傾け、理解を示した場合、彼らは非常に喜び、進んでシェアする。そしてサークル内外で認められることで、その喜びも倍増する」と分析している。

インターネット時代の現在、若者のグループ・アイデンティティは、それぞれが自分の好みや趣味に基づいて、遊び方や仲間を自由に選び、その仲間と「アイデンティティ」を共有するというスタイルになっている。1994年生まれの小非さん(ハンドルネーム)は、ビリビリにおける若者間特有の息の合った交流や自分の笑いのツボを他の人も理解して一緒に笑ってくれる状況を楽しんでいる。弾幕やコメントの内容、さらに、動画そのものまで、ユニークな内容で仲間を探すそれら若者の姿には心温まるものがある。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年4月26日

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