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「凪のお暇」が放送開始早々中国でも高評価 人生やり直しに共感
  ·   2019-08-02  ·  ソース:人民網
タグ: ドラマ;若者;文化
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すべてのソーシャルメディアのアカウントを解除し、携帯電話の番号を変え、誰も自分を知らないところへ行く。自分を「リセット」し、人生をやり直す。こんな人生の「plan B」をやりたくてもできない人がどれだけいることだろう?日本のドラマ「凪のお暇」が中国で話題を集め、放送開始早々、レビューサイト・豆瓣の評価は9.4ポイントまで急上昇した。社畜たちがやりたくてもできない思い切った行動が、大都市に生きる若者たちの琴線に触れたからだ。

劇中のヒロインの名前は大島凪、28歳。「凪」は日本の漢字で、風がやむという意味があり、つまり何事もなく平穏無事ということだ。凪はありふれた会社員だった。職場ではつらい目や苦労に耐え、恭順で、ずっと自分の周囲の空気を読んでばかりで、周囲の付き合いの輪の中に入るために常に人の顔色をうかがい、ビクビクして生きてきた。さらには、他の人が何かミスをした時には、自らそのミスの責任をかぶることすらあった。退勤時間になり、用事があって急いで帰りたい同僚から終わっていない仕事を押し付けられても、笑いながら「大丈夫」とすべて引き受ける。同僚たちと自撮りをした時に、同僚が自分はきれいに写っているけれど凪は目を半開きにしている写真をSNSに乗せようとしても、凪はやめてと言うことができないばかりか、気持ちに反して「いいね!」をつけてしまう始末。

凪の恋人は慎二といって、凪の同僚。イケメンで八方美人の慎二は、職場でかなり受けが良い。凪にとって、慎二は自分が持っている唯一の「秘密のカード」といえる。慎二は凪のストレートの長い髪が好きだが、凪の髪の毛は実はひどいくせ毛。でも慎二に喜んでもらおうと、凪は毎日朝こっそり1時間早起きして髪の毛を真っすぐにセットせざるを得ない。こんな風にして、凪はいつの間にか人のご機嫌を取るタイプの人格になってしまったのだ。凪の最大の願いは、できるだけ早く慎二と結婚することだった。しかし、会議室の外で、慎二が男性の同僚に「結婚?ないない。一回食べた後の野菜を育てて何回も食べるし、作る飯も貧乏くさいし、コンセントとかいちいち抜くし。そういうケチくさい女、生理的に無理」と言っているのを偶然聞いてしまう。

ショックを受けた凪は過呼吸になり、入院。一週間後、凪は大胆な決心をする。仕事を辞め、慎二と別れ、家を引っ越したのだ!凪は家のなかのすべての家具を捨て、寝具だけを背負って、自転車に乗って郊外の田舎にある家賃3万円のクーラーもない安アパートに引っ越した。凪は過去の自分を捨てた時、こう言う。「ここに来たのは、とにかく、まっさらになりたくて」。

実際のところ、誰しも生きていれば多かれ少なかれ凪のような経験をしているだろう。一生懸命やっても終わらない仕事、もろいプラスチックのような友情、一生一緒にいられると思ったのに煮え切らない恋人、疲労困憊で帰宅した後にも逃れられない騒々しさ、などなど。

生活のなかで、私たちは家庭や仕事、恋のために、いつもある程度自分は我慢して他人を手助けしてしまうものだ。それが長く続くと、人の顔色をうかがう生存本能が出来上がってしまう。

しかし、つかの間逃げたとして、それで人生をやり直せるのか?

これからの生活計画を立てようとウィッシュリストを作ろうとした凪は、自分がずっと無意識に仕事をし、この問題をしっかり考えてみたことが一度もなかったから、今も本当にやりたいことが思いつかないのだということに気付いてショックを受ける。

ドラマタイトルの「凪のお暇」は実のところ物語の二つの側面を表している。一つは凪の全く新しい生活。そしてもう一つは、凪が仕事を辞めた後の暇な期間に、過去の人生を見つめ始め、自分から変わろうとする姿だ。

物語には、現代の若者の生活状態と生存環境といったテーマも盛り込まれている。登場人物のさまざまな境遇が物語るのは、まさに誰もが生活のなかで繰り返し考えながらも勇気がなくて結論を出せない問題だ。つまり、どう生きていくべきかという問題である。

このドラマは原作である同名人気漫画作品を見事に再現している。キャスティングも成功しており、恋人の慎二役はエランドール賞新人賞を受賞した高橋一生さんが演じ、有能さと腹黒さ、後悔と無援を自在に演じ分けている。ベルリン映画祭最優秀女優賞を受賞した黒木華さんは、仕事を辞める前のヒロインが誰にもノーと言えない居心地の悪い状態を見事に演じ、視聴者の強い共感を呼んでいる。このドラマの今後の見どころは、凪がこの暇な期間に、いかにして過去から残されたさまざまな面倒ごとに対応し、自分を成長させていくかだ。(編集AK)

「人民網日本語版」2019年8月2日

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