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ドラマ「あなたの番です」が中国でも人気 「交換殺人ゲーム」が現実に
  ·   2019-06-27  ·  ソース:人民網
タグ: ドラマ;推理;文化
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 日本のアイドルグループに詳しい人なら、「秋元康」を知らない人はいない。「48グループ」帝国を築いた秋元氏は作詞家としても有名だ。この人の心をキャッチするのに長けた娯楽の鬼才は、深夜枠のサスペンスドラマ「あなたの番です」の原案企画と脚本にも携わった。このドラマは、予想通り今季ドラマのダークホースとして中日両国の視聴者の興味を引き、日本で話題の的となったのに続き、中国でも熱い議論が巻き起こっている。

「あなたの番です」は、開始早々「あなたには今、殺したい人がいますか」という人の心を刺すような厳しい質問を視聴者に投げかける。これは、もともとは東京都内のあるマンションの退屈な住民会で始まったゲームだった。ゲームの内容は、各自が「死んでほしい人」の名前を紙に書き、紙を集めた後、抽選で自分が殺す相手が決まるというもの。この段階では、ゲームに参加した人々はドラマによく出てくる神経症的ゲームに過ぎないと思っていたのだが、その後、マンションでは本当に惨死する人が出始め、一連の奇怪な交換殺人事件の幕が開く。マンションの住民たちが悪夢の中に突き落とされると同時に、見事な推理と謎解きも展開されていく。

推理とサスペンスは、日本のドラマの目玉とも言えるジャンルであり、「古畑任三郎」からロングランを続ける「相棒」シリーズ、さらには常軌を逸脱した事件を描いた「百夜行」や「アンナチュラル」まで、ほぼどのクールでも推理ドラマが放送されている。従来の推理ドラマでは、謎解きの面白さと殺人動機の納得性の両立がネックになっていたが、「あなたの番です」は野心がより大きく、より巧みで、非常に巧妙な処理方法、つまり「本編+番外編(本篇の補充)ネット配信」という形でこの問題を処理している。

「あなたの番です」の本編では、謎解きに最大限の力を注いでいる。交換殺人そのものは特に新鮮なテーマではないが、30人に上る群像ストーリーが、もともとはありふれた交換殺人というテーマを一気に複雑なものにしている。この複雑さをベースに、マンションという「吹雪の山荘モデル」(または「孤島モデル」。一定数の人々が相対的に密閉された環境に集まっている状態で、その人たちのうち何人かが相次ぎ不審死を遂げる。つまり犯人はこれらの人々の中にいるということになる)に似た密室劇のようなスタイルを採用している。明確なルールによる殺人ゲームを軸にストーリーを展開させ、縛りのある枠組みを利用することで、ドラマのストーリー自体を秩序だったものに変えているのだ。

このほか、ストーリーを展開させるシナリオ技術もかなり手慣れている。毎回起こる殺人で小さな盛り上がりを作り、数週ごとに大きな驚愕を用意し、そこに怖がらせたりユーモアで笑わせたりするパートを挟むことで、視聴者の感情をうまく操り、テンポを作っている。ドラマに登場する住民たちをいちいち覚えていない視聴者でも、ドラマが進むうちに、だんだんと人物設定や謎解きの特徴を把握できるようになる。そして、映像化ならでは撮影手法も、ミステリーの表現力を高めている。のぞき見しているようなぼやけた画面、さまざま視点の切り換えによって、真相と虚偽、あるいは叙述トリックの説得力がさらに高まっている。よく見れば謎が解けるヒントを残した画面処理をすることで、繰り返し見るうちにハッとわかる瞬間を視聴者にもたらしている。これにより、頭を使った謎解きに重きを置いた本篇はほぼ大成功を収めたと言ってよい。

動機の分析や人物の解明といった面では、制作側はスピンオフドラマ「扉の向こう」を制作。ドラマ本編と同時配信という形で、本篇に登場する住民たちの生活について描いている。本篇が頭を使った謎解きだとすると、番外編は心に訴えかけるものだ。ドラマの登場人物は、本篇では非常識で怪しげに見えた行動も、毎回配信される独立したストーリーによって、よりはっきりと理解できるようになっている。例えば、永遠の嫁姑問題、最初は幸せいっぱいだったのに不妊問題で冷え切っていく夫婦愛、息子だけが生きがいのワーキングマザー、「隣の芝生は青い」と思っている純真そうに見えて実は心に悪意を抱えた女性、同僚に嫉妬し下品で憎たらしいのに他人からは同情される独身男性などについてのストーリーが展開される。

人間性というのは複雑かつ微妙で、屈折したものだ。番外編では、さまざまな日常生活の細部を描くことでそれを徐々に浮き彫りにしていく。各登場人物のイメージも、こうしたなじみのあるシーンによってより立体的に活き活きとしてくる。またそれにともなって、殺人の動機や悪意が芽生える理由も合理性があり推し量ることができるものになる。

こうした番外編同時配信という手法を取ることで、本編がよりシンプルなものになり、自分で答えを探りあてられる機会を視聴者により多く提供している。だが、番外編の役割はこれだけにととどまらない。それ自身の独立性によって、番外編だけでも非常に素晴らしい作品になっている。今のところ、番外編の評判が本編より高いことがこの事実を証明している。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年6月27日

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