両会の直前、「国家中長期教育改革・発展計画綱要(2010~2020年) 意見募集稿」(以下は「計画綱要」と略称)は1カ月にわたって一般から意見を求めることになった。2010年の両会では、大学入試改革は代表・委員が盛んに議論する話題となっている。「現行の中国の大学入試制度改革、合理的かつ効果的な人材選抜と育成方式の形成、資質教育発展の促進などが『計画綱要』に盛り込まれている」と浙江省杭州高等学校党総支部書記兼校長の繆水娟全人代代表は語り、次のように見ている。
「今の子供たちは授業や宿題が多く、精神的プレッシャーも大きい。その根本的な原因の1つは現行の進学入試制度、特に現行の大学入試制度である。改革開放以来30数年、『1回の試験が一生を決める』、『千軍万馬が丸木橋を渡る』という状況は依然として存在している。」
3月6日に開催された全人代浙江代表団全体会議で、繆水娟代表は、大学入試改革は、学生の選択権を強め、自主的に選択するようにさせ、長所を重視し、類別に試験を行い、多元的に採用し、文科系・理科系ともに配慮し、公平さを保障することに重点を置くべきであると提起し、次のように語った。
大学入試の「1回の試験が人生を決める」という局面を変えるには、学生が選ばれるだけという現状を変え、学生の個性と長所を尊重・保護し、それを発展させ、学生が自主的に複数の学校を選ぶことができ、何回か試験を受けて、複数の合格通知をもらえるようにしなければならない。大学の角度から見れば、多元的な採用方式をとることができる。大学入試は点数のみによって採用するのではなく、総合的な資質によって、面接試験を通じて、優秀者を採用すべきである。推薦の場合、数学・物理学・化学など学科のオリンピックの成績のみによって採用するのではなく、学生の高校での各方面の態度や実績によって推薦を行うべきである。大学入学定員の配分は地区や学校のみによって決められるのではなく、文科系・理科系ともに配慮し、地区や学校間の公平な競争を保障する。
繆水娟代表は浙江省の実例を紹介して次のように述べた。2009年、浙江省の大学入試は類別に試験を行い、何回かに分けて採用する方法をとり、一応の効果をあげている。これは全国の大学入試改革のために有益な参考となるものである。
「北京週報日本語版」2009年3月10日 |