本誌記者:徐蓓
全人代代表の韓雅琴氏
「多くの人が私を『ならずものの母』と呼ぶ。私には今362人の『子供』がいるが、彼らはみな刑務所での刑期を終えた釈放者だ。私の今回の議案は、刑期満了釈放者への配慮とサポートにいっそう力を入れることだ」。2010年3月5日、数十分後に迫った第11期届全国人民代表大会第3回会議の開幕を前に、山西代表団の一般代表である韓雅琴氏は本誌記者にこう語った。
韓氏は、犯罪者や労働教護中の者は法に反して犯罪を行ったために投獄され、労働教護を受けているが、彼らは依然として社会の一員であると考えている。韓氏の考えでは、彼らももともとは社会生活を送っており、服役や労働教護所での労働改造を終え、刑期を満了して釈放されてから最終的には社会へと復帰し、再び社会と家庭の一員となっていくべきで、そのためには刑期満了釈放者に対する適切な配置と指導が非常に重要だ。
「こうした服役者が永遠に隔離された環境で生活していくことはありえず、いつかは社会へと復帰する日が来る。その時には、政府は彼らがスムーズに社会復帰できるような適合のための仕組みを用意する責任がある。私は政府に国の事業として刑期満了釈放者へのサポート・指導に取り組み、適切な経費を投じて、刑期満了釈放者へのサポート・指導拠点を設立し、さらに多くの人に刑期満了釈放者ができるだけ早く社会復帰できるようサポートすることを奨励してほしい。これも「和諧社会」(調和のとれた社会)建設の重要なパートであると考える」。韓雅琴氏は言う。
韓雅琴氏はまた、「社会復帰に向けた適合の仕組みがなければ、刑期満了釈放者は社会に融けこむことができず、仕事も生活手段もない。そうした場合彼らが再び犯罪に走る可能性は極めて高い」と述べた。
「北京週報日本語版」2010年3月9日
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